うちの教会ほど近所の住人から嫌われている教会はないのではないか、と常々思う。

 

弁解するわけではないけれども、日本人の信者は文句言われて謝る側なので。すぐに匿名の苦情の電話が入る。

 

一番多いのは駐車場が限られているため、イベント時の迷惑駐車。そういうことがないように、イベントの前になると駐車場を借りられるように役員が近隣に挨拶に回る。その程度は常識として、スーパーの駐車場を使ってしまう信者もいて、そうなるとお客さんが停められないといって苦情。

 

それも当たり前の話。

 

すごいのは、そのせいでスーパーが倒産してしまうという・・・ たいていは国際部の人たちが多いから、スーパーの利用も国際部仕様で、素材も量も国際部向けという感じ。だから、お得意さんだから、勝手にスーパーに停めてしまう。だけど、それで店からクレームがきているからやめてくれと伝えると、たちまち売上ダウンにつながって閉店してしまった。

 

もっとすごいと隣の店の窓からごみが飛んでくる。

 

教会の前の歩道やら路上やらに車を停めてしまうから、それが気に入らなかったのか文句を言われて、教会としては赤いコーンを置いて、係が見張る。信者が信者を見張るわけ。勝手に停めないでください、って。

 

それがエスカレートして、とうとう隣の家の二階から、うちの駐車場のほうをめがけてごみを捨てられる。

 

これで怒らないほうがどうかしているから、相当仲が悪かった。

 

そこにそういう事情を知らない神父が勝手に近所の人たちにそそのかされて、教会の前に、ごみの集積所をつくってくれと頼まれてその気になってしまった。

 

皆は相当激怒しまして、ただでさえ日ごろから駐車場にごみを投げ捨てられたりしているのに、今度は教会の前にごみ箱を置いてほしいと5軒先の床屋で頼まれたらしい。教会の隣の住人が使わないのならそこまで怒らなかったと思うけど、どう思いますか?

 

それで、最終的には教会からは神父だけが使うということで、教会の裏側に置くことで決着した。

 

教会のごみは信者が持って帰る。教会の裏のごみ箱は近所の人と、住民である神父だけが使う。

 

その結果、神父なんてものはしょせん他人だと。銀行の支店長のようなもので、支店長は年中異動になるから職員には関係ない。しょせん外部の人たちなんだって。信者のことよりも、近所付き合いを優先させるということに我慢がならなかったらしい。

 

まあ、ご近所の人たちにしてみたら、迷惑駐車は多いし、畑に子供が石を投げこんで遊んでいるし、他にもいろいろ言いたいことは山ほどあるに違いない。だけど、国際部が多いから、全然気を遣ってくれない。

 

歴代誌上 6. 1-15